土屋建設㈱・青木興業㈱JV
2024.10.11 更新
土肥が津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)に指定されたのは2018年3月。南海トラフの巨大地震が発生した際に最大10メートルの津波が想定され、津波の到達時間は4~6分。観光がメインの土肥のまちづくりにおいて「景色をとるか、安全をとるか」で常に論議が交わされてきました。過疎化に加え、防潮堤や津波避難タワー建設だけでは地域存続に限界点が見えてきたところに、「観光」「防災」どちらかをとるのではなく、複合的でポジティブに捉えることで「観光+防災」という新しいまちづくりを専門家も交えながら検討し、官民連携でこの施設の建設に至りました。
高さ18.8メートルの4階建て。3階から上が避難スペース(海抜14メートル以上)となり、約1,230人の避難が可能。水・食料・簡易トイレやオムツなどが4階に備蓄されており、AEDや非常用の発電機も設置。
海岸付近にいる観光客や市民が短時間で高い場所へ逃げられるように、また、松原と駿河湾の壮大な景観を体験できるように、様々な設計の工夫がされています。日常散策のたびに絶景に出会えますので是非お立ち寄りください。いざという時のための訓練にもなります。
海側には夕日を見ながら入れる足湯あり。
ベンチが多数設置。眺望も楽しめます。
地域の食材を楽しめる飲食店。津波の到達しない海抜14mの高さにあり、災害時には避難スペースに。
絶景のフリースペース。災害時には避難スペースに。災害グッズの備蓄庫や非常電源装置設置。
― 地域に不慣れな観光客でも避難経路が一目でわかるように2本の幅広な階段が建物外周に配置。災害時に裸足で避難することを想定し、木材やタイルを多用。この階段は松原と駿河湾の壮大な景観を体験できるように設計おり、日常散策のたびに絶景に出会えます。
― 建物をビーチと松原公園の間に建設したことで、駿河湾へつながる「門」として、自然と構造物が融合した新たな松原の風景を創出。写真映えスポットに。
― 日常利用や観光で立ち寄ることが避難訓練となり、地域住民や観光客の防災意識を高めることが期待できる施設です。
①絶景を楽しめる「テラス」(フランス語) ②災害時には灯台の様に生命を守り照らせる ③伊豆市の観光や未来を照らせる。
①土肥の海に映る美しい夕陽 ②“全国初”のオレンジゾーンによる施設 ③名産であるミカンの暖かいイメージ。
ヨーロッパの「toi toi toi」というおまじないで、幸運を祈る、応援の意味がある。
また、ひらがな表記の「てらっせ」は土肥の方言の「こらっしゃー」(来なよ)に、「おれんじ」は「おらっち」(私の家)と響きが似ていて、「私たちの、土肥にいらっしゃい」という意味や「地元の人から親しまれるように」という思いが込められています。
地元の新鮮な野菜やひもの・かまぼこ等の魚介類の加工品、ロクワットのパン、もりしま米店のおはぎ、地酒類、AMAGIFT(アマギフト)など、地域のオリジナル食材やアイテムが手に入ります。わさび・しいたけ・白ビワは土肥の特産品です。
「伊豆牛乳」や「君だけプリン」で有名な大木乳業さんが運営するカフェ。色とりどりのソフトクリームや手作りパンのサンドイッチがお楽しみ頂けます。土肥では唯一のモーニングメニューもあります。海を見ながら朝食をいかがですか。
地魚を使った料理を中心に、創作料理やキッズメニューもあります。タワー丼/地魚海鮮丼/地魚刺身定食/にぎり寿司/わさび丼/焼肉定食/からあげ定食/かまぼこ盛り合わせ/お子様ランチ/他
4Fはテラス席となり、ご自由にお使いいただけます。松原公園内の遊具は未就学児~小学生まで幅広く遊べます。
工事概要
名 称: | 伊豆市津波避難複合施設 Terrasse Orange toi(テラッセ オレンジ トイ) |
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所 在: | 伊豆市土肥2657-6 松原公園内 |
設 計: | 東京大学生産技術研究所 今井公太郎研究室+日本工営都市空間株式会社 |
施 工: | 土屋・青木特定建設工事共同企業体 |
構 造: | 鉄骨造 一部鉄骨鉄筋コンクリート造(基礎) 鉄筋コンクリート造(トイレ棟・階段棟) |
階 数: | 地上4階建て(建築物の最高高さ18.8m)避難スペースは3階以上(想定津波高さ海抜10m+余裕高4m) |
用 途: | 【平常時】地域交流の場・農林水産物等の物販・飲食の提供、観光情報の発信・休憩所、展望台・避難所・飲食・物販店舗 |
用 途: | 【災害時】一時避難スペース(避難面積約600㎡ 避難者数約1,230人) |
事業費: | 約12億8百万円 |
事業期間: | 令和元年度~令和6年度(竣工: 令和6年6月) |
施設運営: | 株式会社 土肥ノベーション(指定管理者) |
2024.6.21 工事竣工
お知らせ
松原公園には他にも河津桜や八重桜が植えられているようで、特に河津桜との見分けが難しく… いずれ園路となる桜並木道を整備している工事担当者が「土肥桜は早咲きだから区別がついたよ~。」と(笑)いろいろな種類の桜の木が植えられていると長い期間桜が楽しめていいですね。桜並木を歩ける日がとても待ち遠しいです。
その名は Terrasse(テラッセ)Orange(オレンジ)toi(トイ)
全国から沢山の応募があったにもかかわらず、最終的に選ばれたのは土肥の子育て世代のお母さんの作品でした。決め手となったのは「名前の意味、そして思い」でした。
「テラッセ」は ①絶景を楽しめる「テラス」 ②災害時には灯台の様に、生命を守り照らせる ③伊豆市の観光や未来を照らせる
「オレンジ」は、 ①土肥の海に映る美しい夕陽 ② 全国初のオレンジゾーンによる施設 ③名産のミカンから、
暖かいイメージ 「toi」は、 ヨーロッパの「toi toi toi」というおまじないで、幸運を祈る、応援の意味があります。
また、 「テラッセ オレンジ」は、 土肥の方言の 「こらっしゃー(来なよ)おらっち(私の家)」と響きが似ていて、 「私たちの、土肥にいらっしゃい」と言う意味も込め、地元の人から親しまれるように。
土肥の皆さん、観光客の皆さんを、 暖かく「照らせ オレンジ」に、と願いをこめ、名付けました。 土肥地区で生まれ子育て中なので、 皆を守り、地域を盛り上げる施設になって欲しいと思います。
「テラッセに遊びに行こう♪」と親しみやすくとても素敵な名前がつきましたね!
土肥こども園の園児さんや土肥小中一貫校の生徒さんも参加され、園児さんには新しく設置された遊具を体験後、花時計の中心に花を植えていただきました。
1~9年生の一貫校の生徒さんには基礎工事を終えたばかりの複合施設の建設現場の上で工事内容(杭工事)を聞いていただき、またモニターで工事の今までの写真を見たり、遊具を見学するなど、少し専門的な内容もお勉強していただきました。
そしてこの複合施設が建てられる目的でもある地震や津波のこと、そして防災の取り組みについてもクイズ形式で改めて理解を深めていただきました。
この取り組みが未来につながるといいですね。
松は粘りと硬さ、色艶から、古くより寺社や古民家の梁に使われてきた素材。
触れると檜や杉とは違った重厚感があります。
汐風をあびながら育ち、土肥の歴史を刻んできた松の木の作品に是非触れてみて下さいね。
そして、この看板を作製したのが伊豆総合高校の工業科の生徒さん達。夜間でも看板が見えるように電飾証明を発案。
未来を担う貴重な技術者の第一歩としての作品。
この経験を活かして日本の未来を築き、そして(夢は大きく)世界に羽ばたいていってほしいですね!
あいにくの雨で縮小して行われましたが、土肥の新たな門出の日となりました。
「みなとオアシス土肥」は土肥港を核に「松原公園・土肥金山・駿河湾フェリー・土肥海水浴場」が対象施設として、地域住民と観光客が防災を通して交流を深め、地域活性化を促すことを目的とし、全国では162番目、県内では8番目の登録となります。
観光産業がメインの土肥のまちではまちづくりにおいて「景色をとるか、安全をとるか」で常に論議が交わされてきました。
過疎化に加え、防潮堤や津波避難タワー建設だけでは地域存続に限界点が見えてきたところに「観光/防災」どちらかではなく、複合的に物事を捉え、ポジティブに向き合う方向へ視点を変えた結果、「観光防災」という新しいまちづくりとともに複合施設の建設に至りました。
そこには官民の連携、そして専門家の先生方による手厚いサポートもあり、実現に至り、安全とともに新しい景観を生み出しました。
この取り組みは出発点であり、「観光防災」という1つの目的に向かってこれからまちをどのように整備し、運営していくか、まだまだ課題はありますが、進むべき方向が定まったことで地域の人々の意識も変わり、新たな未来が開けることを期待します。
あいにくの雨で縮小して行われましたが、土肥の新たな門出の日となりました。
「みなとオアシス土肥」は土肥港を核に「松原公園・土肥金山・駿河湾フェリー・土肥海水浴場」が対象施設として、地域住民と観光客が防災を通して交流を深め、地域活性化を促すことを目的とし、全国では162番目、県内では8番目の登録となります。
観光産業がメインの土肥のまちではまちづくりにおいて「景色をとるか、安全をとるか」で常に論議が交わされてきました。
過疎化に加え、防潮堤や津波避難タワー建設だけでは地域存続に限界点が見えてきたところに「観光/防災」どちらかではなく、複合的に物事を捉え、ポジティブに向き合う方向へ視点を変えた結果、「観光防災」という新しいまちづくりとともに複合施設の建設に至りました。
そこには官民の連携、そして専門家の先生方による手厚いサポートもあり、実現に至り、安全とともに新しい景観を生み出しました。
この取り組みは出発点であり、「観光防災」という1つの目的に向かってこれからまちをどのように整備し、運営していくか、まだまだ課題はありますが、進むべき方向が定まったことで地域の人々の意識も変わり、新たな未来が開けることを期待します。
夏の花火大会が終わり、そしてこのキャンドルナイトー 土肥の夏もひと段落です。